轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

男の慟哭

一

いずれこうなる運命は予測されていたにせよ、余りに浅ましい刃と刃であった。

夜陰ではあるし、この夜、風もつよかったので、炎はたちまち全城にひろがった。――そして、去年以来、獄中にあった黒田官兵衛のまわりにも、やがてその火光とすさまじい物音は刻々と近く迫っていた。

男の慟哭

一

児屋郷の昆陽寺には、ここ数日前から約十名ばかりの僧形や、武士や町人や、また医者、傀儡師などの雑多な身なりをした人々がひそかに寄って、そのまま一房に合宿していた。

主君救出の目的で、春以来、この伊丹附近に俳徊していた姫路の士たちであるこというまでもない。

初めは十三名であったが、老齢の母里与三兵衛は発病して途中から帰国のやむなきに至り、また宮田治兵衛と小川与三左衛門のふたりは、極く最近、一党にわかれて、

(官兵衛様のご救出も、近日のうちに必ず成功を見られましょう)

という吉報をもたらすべく中国へ急ぎ、一名は秀吉の陣地へ、一名は姫路の城に入って、何かの打合わせをしていた。

一党が昆陽寺に結集して、待機していたのも、この月の十八日には、いよいよ伊丹城中の離反組が、内部から火の手をあげて、織田軍を誘い入れることになったという機密を事前に知ったからであった。