轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

この春以来、御着の城は空家になっていたのである。なぜならば、赤松氏以来、そこに住んでいた黒田家の主筋の人たる小寺政職やら老人たちは、あれほど官兵衛が、

(時代はかく成りますぞ)

と、あらゆる忠諫と、身を以て、この主家の動向を過らすまいと努力したのにかかわらず、その官兵衛を荒木村重に売り、村重と呼応して、再度、節義を変え、信長に反き、あらゆる妄動と醜態を世に暴露してしまった。

ところがたちまち、村重は滅ぼされ、恃む三木城も陥落し、俄然、足もとの危急に気がつき出している所へ、

(官兵衛が姫山へ帰って来た)

と、聞えたので、元より何らの実力も信念も持たない小寺政職以下、詐謀、日和見の偽装でこれまでようやく通って来た老臣たちも、すわと怖れをなし、あわれ主家は主家、彼らは彼ら、一夜のうちに御着を捨てて、みな思い思いの地方に逃亡してしまったものである。

「四散した旧主の城へ移り住むのも心苦しいが……」

と、宗円は好まぬふうだったが、官兵衛から、しばらくのご辛抱ですからと慰められて、ぜひなく、そこへ移って行った。

七月初旬。――秀吉は新城にくつろく遑もなく、またすぐ軍をすすめて、因幡、伯耆の国境に転戦した。