轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
「よしっ。なお見張を忘るな。異状が見えたら刻々に告げて来い」
具足櫃を開けて、親譲りの紺糸縅しの一番を着込むのと、侍部屋の方へ向って股肱の面々を呼び立てるのを彼は同時に行っていた。
「母里太兵衛、おるかっ。栗山善助、井上九郎もあるか――後藤右衛門も来い。宮田、長田、三原、喜多村などその座に居合わせねばすぐ呼び集めて、広縁へみな来い」
次々に答えて起つ。また駆け分れてゆく。瞬時にして広縁には、彼が手飼の屈強ばかり十三、四名集まった。
「来たぞ遂に」
いつもの朝と変らない顔をにこにこそこへ見せて、官兵衛は鎧の脇緒を結びながら、
「いま参った姫路の父宗円からの早打ちによれば、毛利勢は約二千から三千ほどの人数とある。小ざかしくも海面から未明に上陸して、敵は奇襲を敢行して来たものだ。ただし姫路の町は敵の放火をうけておるが、姫山の曲輪は、小なりといえびくともせぬ、必ず案じるなかれと、書面での父のことば。――平素はさすがにお年を老られたかに思うていたが、さすがにかかる折には、依然として官兵衛以上の太胆であらっしゃる」
愉快そうに一笑を放ってから、偖とばかり郎党のひとりひとりへ、迅速に且つ明快な指揮をさずけてから、自分はすぐ身を翻して、主人小寺政職の居室へ駆けて行った。