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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页
「ほう、岡ッ引きへな! は、は、じゃあ、何だな、婆さん、このおれが後生気が出ているようだから、おどしにかけても、いのちを取るようなことはねえ――と、高をくくったのだな! ふ、ふ、ふ、いうまでもなく、いのちも取らねえ、なぐりもしねえ――だが、おれは、思い立ったことは何でも行るのだ。そして、邪魔になるものがありゃあ、それを取ッぱらうんだ!」
と、言いさま、ぐっと、婆さんの肩をつかむ。
「あれ! 何をするのさ! 手を出すかい!」
「手も足も出しゃあしねえ――ちょいとの間、じっとしていて貰えばいいのだ」
「およしよ! あれ! どろぼうだよう!」
と、叫び立てるのも、一さいかまわず、ぐっと引き寄せると、腰の手拭を取って荒々しく猿ぐつわ。
「手荒くしたくはねえが、婆さんがさわぐから――あとで、自由になれたら、訴えるもよし、訴人もよしだ。まあ、しばらく、じっとしていて貰えてえ」
両手両足を、くくし上げて、大戸棚の中にころがし込んで、両手を塵を払うように叩いて、
「わからねえ婆さんだ。息が苦しいだろうによ」
二四
お三婆を、ぐるぐる巻きの猿ぐつわ、押入れに、突き込んでしまった島抜け法印、耳をかたむけるようにしたが、