轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页

青空文庫

が、浪路は、荒々しく頭を振った。

「いえいえ、それは、無駄なこと!」

と、彼女はいきどおろしげに、

「雪どのは、もはや、決して、わたしに逢うまいと、思い定めておいでに相違ない。それゆえ、そなたが、口を酸くして、すすめてくれようと、よも、ここまで、足を向けようといたすはずがない――わたしには、よくわかる――そなたが、心をつくしてくれようとの気持はかたじけないが、おなじことであれば、わたしを、案内してたも――わたしが、是非に逢う。逢うて、訊きたいことを、きっぱり聴かねばならぬ。さ、夜があまり更けぬうち、道しるべをしてたも」

彼女はそう言うと、千世を呼んで、鏡台を運ばせなぞするのであった。

七

この隠れ家に住むようになってから、勿論、髪も、衣類も、町家風俗、されば、夜あるきをしようとも、さらさら、だれの怪しみをも買わないであろう。

浪路は、上に似げない性急さで、髪をかきつけ、顔を直すと、立ち上って、

「さ、甚太郎、案内しや――大方山ノ宿と聴いた。そこまで出て、かごをやとわば、更けぬうちに着くであろう――千世、留守居を、ようしていやれ」

甚太郎もはや、思い止まらせることも出来ず、力なく、