轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页
「何だねえ――人が、折角寝ついたところを――もう冬になっているんだよ、火の気のねえところで、煎餅蒲団――寒くって、一度覚めたら、なかなか寝られやしねえんだよ」
「だからよ、寝酒を持って来てやったんだな」
法印は、ひどく下手だ。
「まあ、こっちを向きねえよ――何だか、眠れねえような咳ばらいが聴えたから、丁度おいらも一口やっていたところで、残りだが、冷酒を持って来てやったんだぜ」
と、枕元に、うずくまって、白丁を、ゴボゴボ音をさせて見る。
お初は、むくりと起き上がりかけた。
「まあ、どうした風の吹きまわしなんだねえ――」
四
煎餅蒲団の上に、起き直ったお初、乱れ髪を、白い指でかき上げながら、片手で、はだかった前を合せる。着たままの、外出着も、すっかり皺だらけになってしまっているが、膝のあたりに水いろの湯巻がこぼれて、ふくらかな股が、ちょっとあらわれて、じきに隠されてしまった。
島抜けの法印は、その方へ、赤濁った目を吸われたのを、さすがに反らして、白丁と一緒に持って来た、茶碗を突きつけた。
「さあ、まあ、一ぺえ飲んねえ――」
「まさか、お坊さん、毒酒じゃああるまいね?」