轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页
当然、雪之丞は、お初をかくも勢いづけている、背後の力というようなものを、想像して見ずにはいられない。それは、平馬一味というような存在に比べて、格段大きな、力強い威力でなければならぬ。
では、あの女、とうとう淫らな慾念の叶わぬ恨みを、わしの秘密を敵方に売って、世に浅間しい方法で晴そうとするものに違いない――と、して見れば、この古寺の物影には、土部一派、横山、浜川の手の者が、あまた隠されているのでもあろうか? 油断はならぬ――
と、屹と、唇を噛んで思わず、お初を睨め上げる。
「何とかおいいよ――雪之丞さん」
と、お初は、ふところ手のままで、流し目のような視線に、嘲笑を罩めて投げかけるのだ。
「お前さんは、あたしほどの者を、小指の先きであしらったと思っておいでらしいが、どっこい、問屋は、そうは卸しはしないよ。これでも江戸で、いくらか知られた女ですからね。さあ、何とか、挨拶ぐらいしたらいいじゃあないか」
一四
お初の、むしろ、べったりと、ねばッこく響くがゆえに、一そう薄気味悪い言葉は、なおもつづく。
「実はねえ、お前さんのやり方が、あんまりいまいましいから、ついした事から知り合いになったこの門倉さんに力をかりて、始末をつけて貰おうと思ったのだが、この剣術の先生が、折角集めてくれたのが、そこにころがっているお人たち――