轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

「なんです、わたくしに物をいわせないで。控えておいでなさい」

と、頭からただ一言に抑えつけたうえ、更に、村重へ向って喋々と、事実を否定した。

「わたくしにも一半の責めがあるとの仰せでしたが、それならば殿にも一半の罪がおありでしょう。そんな怪しげなものをこの城中へ入れて召使っている私のようなものを、どうしてまた、殿にはここへお置きなさるのでございますか。わたくしはいつもいっている通り室の津へ帰りとうて帰りとうてならないのではございませんか……。それを、殿が、お許し下さらないで」

「亥十郎。亥十郎」村重は何か急にその武将たる重さを失いかけて――「ひとまず其方は退がれ。あとでまたよく談合もしよう。いや於菊の身は充分に調べたうえで取極めるから心配すな。退がってよい」

亥十郎は暗然と主の面を見上げていた。もっと直言したい気もちが胸につかえているらしかった。けれどその起ち際にいたるまで、室殿は彼の訴えを否認してやまなかった。

「ここを去るならば、もう一度、池の畔へ行ってよく調べてみたがよい。菊には、わたしから蒔絵のしてある美しい蛍籠を持たせてやりました。それがどこかに落ちているにちがいありません。