轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
何で科といおう、罪と呼ぼう」
小三郎はいいつつ起ち上がって、広縁まで歩み出で、庭上いっぱいに平伏して別離を惜しんでいる将士へ向いしずかに頭を下げた。
「共々、二年のあいだ、籠城中の皆のはたらきは、前代未聞のことであった。草木の根を食い野鼠死馬の骨を舐りおうて戦ったことも、今はなつかしくもあり、正しく武門のほまれといえるものぞ。ただこの城の主将として、その志に、何の報いもせで去る小三郎のふつつかはゆるしてくれ。われらの相果てた後は諸士相扶け、各※(二の字点、1-2-22)将来を求め、かりそめにも叔父賀相のような汚名をのこすなよ。……それと、今日のわれらの身をよい訓えとして、ひとたび誓うた節義を更えるな。時勢のゆくてを見誤るなよ。わしの滅亡は若年のためその先見がなかったに依るのだ。小三郎がよい鑑であるぞ」
いい終って座にもどるや否、彼はすぐ脇差を取上げてきれいに腹を切っていた。
妻、その子、弟の彦之助も、相次いで、紅の中に伏した。一族の三宅肥前、老臣の後藤将監基国、小森与三左衛門なども尽く殉じた。
今はたゞ恨みもあらず諸人の命に代るわが身と思へば
は、小三郎長治の辞世であった。