轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

それとて、こういう足もとの多事多端は、決してわが織田家の脆弱によるものでもなく、方針の悪いために起る破綻でもない。要するに、われらお互いの者と同じように、織田家そのものの業もまだ若いのだ。考えても見られい。つい桶狭間の一戦あって以来の織田家だ。あの時、わが主君には二十五歳でおわしたから、今日四十二歳にわたらせられる信長様の業としては、実にまだ十七年しか経っておられぬ。――十七年のあいだに、とにかく尾張清洲の一被官たるご身分から、これだけに躍進され、積年の悪風を京都から一掃して、旧室町幕府の世頃とは比較にならぬほどなご忠誠ぶりでもある。……といったような次第で、いやもう実に迅速も迅速、われら凡人どもには、一代でも到底成し能うまいと思われることを、ここわずかな年月によくもやり通して来られたものと、われら家臣どもも驚嘆しているほどなのだ。従って、過程の荒削りはまぬがれない。その急速の過程にはまた当然始末が残るというわけにもなる。――いずれにせよ、まだ正直、中国までへは手が届かん。何といっても、足もとが先だ。中国まで、いままでのような早仕上げにいたそうと思っても、さきは強国、今までの相手とは相手がちがうからな」