轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

「まず、味方内の整えはこれでついたが」

官兵衛は兵糧方が配っていた玄米の握り飯を一つ持って、床几場の陣幕外に立ってむしゃむしゃ喰っていた。思えば今暁の一刻こそ、実に危うい境ではあったと、今更ほっと吐息が出てくる。

「否々、まだほっとするには早い。合戦は正にこれからだ」

と、心のうちですぐ戒めた。そして五指の飯粒を唇で拾って喰べ終った。

そこへ彼が今朝、真っ先に命じて、山地の方へ偵察にやった腹心の後藤右衛門が、馬鞭を手に大汗かいて帰って来た。

復命して、彼は、官兵衛の前にいう。

「ご推察にたがわず、三木城の別所長治の手勢にちがいないものが約三百名、北方二里ほど先のご領外まで潜行しており、あの辺の林や山に潜んで、ひたすらこの御着の城内から内応の合図があるのを待ちかまえておる様子でございまする。そのほか西方の浮田城の境にあたる方面には、異状はないようにござりまする。――が是とて、万一当城に煙が揚がるような変を見たら、どう動いてまいるかは測り知れませんが」

「後の手当は?」

「ご指揮にしたがい、喜多村六衛が士卒百五十を率いて、三木勢の動静にそなえ、長田三助は、七十名をつれて、他の境を怠りなく監視し、途中の連絡には、三原隼人が足軽を配して当っております」