轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页

青空文庫

一九

――あり来たりの色恋をしたってつまらないよ、そんなこたあ、素人の箱入さんか、極くましなところで、意気がった櫓下の羽織衆にでもまかしておくんだね。おいらなんぞを、生きるか死ぬかと、のぼせ上らせる奴はまああるまいが、それが目の前に出て来る日までじっとしているのさ。そのかわり、一度惚れたら――

恋が叶えば、地獄極楽も一緒に見ようし、叶わねば、相手を生きながら刀葉林へも追い上げねば置くまい――と、いうようなことを、いつも考えていたのだ。

ところで、今、彼女は、そうした恐ろしい恋の相手に、雪之丞を見出した。恋は蹴散らされた。ではどこまでも、その薄情男を苦しめ虐げ、生き皮剥いでやらねばならぬ。

そして、彼女は、雪之丞が、畢生の大願としている、例の復讐の望みを聴き知ったのを幸い彼の計画の一切を、曝露して、存分に辛い目を見せてやらねばならないと、決心したのであったが、しかし、この門倉平馬という、これも、雪之丞に、恐怖すべき害心を抱いているに相違ない人物が、たった今、自分の色香にうつつを抜かしているのを見ると、また、別の考えが起って来た。

――この男は、こないだ、田圃の出合いでは、雪さんに、ひどい目にあわされたが、あれは不意のことだし、人数も少なかったからだろう――こいつを、おだてて、存分に陣立てをさせ、あの雪さんと噛み合わし