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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页
は、御安心なすって下せえまし――」
三斎隠居は、この闇太郎の物語が、耳に入るか入らぬか、ただ、ジーッとわが子のなきがらを、みつめつづけるのみだった。
一九
「ど、どういたして、又、このなきがらが、きさまに運ばれて、わが家にかえることになったか――闇、くわしゅう、申せ!」
三斎、パタリと、唐櫃の蓋をとざして、叫ぶ。
「だから、何もかも、只、浅からぬ因縁だと言っているじゃあありませんか――何でも話を聴くと、どこかに隠れているうちに、横山五助とかいう、お屋敷出入りの悪ざむらいにつけまわされ、操を守るために、その男を、突ッ殺したとかいうことで――」
闇太郎が、そこまで言うと、三斎が、
「えッ! 横山を、むすめが――」
「へえ、よっぽど、しつッこくしたらしいんでごぜえますよ。浪路さまも、堪忍がしかねたと見えますね――何しろ、そこまで決心なさるにゃあ、なみなみのことじゃあなかったでしょう――おかわいそうに――それと言うのも、ねえ、御隠居、おまえさんが、わが子の心を汲むことを知らねえで、わが身の出世のために、お城へなんぞ上げたからですぜ――」
「む、む」
と、隠居はうめいて、