轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

「朝日新聞」1934(昭和9)年11月~1935(昭和10)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 页

青空文庫

そのあべこべに、その男を、さんざッぱら、ひどい目に逢わしてやらなけりゃあ、辛抱がなりません。それで、ちっとばかし、お願いが出来たわけなの」

言葉つきも、親しみが加わり、遠慮が無くなった。

それが、平馬には、うれしくてならぬ。見る見る活気づいて、

「ほう、雪之丞を、どうしようというのだな? 何か名案があるかな?」

「あの男を、どこかへしょびき出すか、それとも、途中で生け捕るかして、きゅうきゅうむごい目を見せてやりたいのです」

「それ真剣か?」

「真剣ですとも――本気ですとも――」

「ふうむ」

と、平馬は、腕を組んで、

「女というものの執念は、怖ろしいものだなあ」

「ほ、ほ、ほ、何を感ずっておいでなのさ――そんな事は、今更言うまでもありゃあしない。女という生きものに取っては、いとしいいとしいと、思うこころが、先きの出方で、いつでも憎い憎いに変るんですよ。だから、先生なんぞも、その立派な男前で、あんまり女をいたずらして歩くと、しまいには、飛んだことになりますよ。ほ、ほ、ほ、ほ」

お初が、冷たい凄い笑いを浴びせかけた。

平馬は、顎のあたりに手をやって、

「拙者なぞ、そなたほどの女子に、せめて、毛程でも、怨むなり、憎むなりして貰いたいものじゃ」