轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页
それに修道者でもあっただけに、迷信にとらわれやすかった。
つまりかれがもっているいちばんの弱点に、うまうまと乗じられた呂宋兵衛は、まったく竹童の言に惑酔して穴山の残党がなんといおうと、轟や昌仙のやからが疑わしげに反省をもとめても、頑としてきかず、秘法の星まつりを行うべく、手下の野武士に厳命した。
ために、軍議はしぜんと、夜に入って四里四方けがれなき平野に、その式をすましたうえ、出陣ときまってしまった。
その用意のものものしいさわぎのなかで、有卦に入っていたのは竹童だ。別間でたくさんな馳走をされ、鞍馬では食べつけない珍味の数々を、箸と頤のつづくかぎりたらふくつめこみ、さて、例の棒切れ一本さげて、飄然とここを辞してかえる。
さしも、はげしかった昼の雷雨に、乱雲のかげは、落日とともに澄みぬいていた。西の甲武連山は茜にそまり、東相豆の海は無限の紺碧をなして、天地は紅と紺と、光明とうす闇の二色に分けられ、そのさかいに巍然とそびえているのは、富士の白妙。
――すると、この夕方を、人穴から上へ上へとはいあがっていく豆つぶ大の人影が見えた。それはどうも竹童らしい。