轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

二

見れば、つい四、五日前に安土城で、じぶんの手から密書をわたした福島正則の家来可児才蔵である。

燕作はあっけにとられて、

「あ、いつのまにこんなところへ」と、思わず目をみはった。

「しッ、大きな声をいたすな、じつは、秀吉公の密命をうけて、武田伊那丸との戦のもようを見にまいったのだ、ところで、さっそく丹羽昌仙に会いたいが、そのほう、これより人穴城のなかへあんないいたせ」

「とてもむずかしゅうございます。敵は小人数ながら、小幡民部という軍配のきくやつがいて、蟻ものがさぬほど厳重に見張っているところですから」

「どこの城にも、秘密の間道はかならず一ヵ所はあるべきはず、そちは、それを知らぬのであろう」

「さあ、間道といえば、ことによると蚕婆が、知っているかもしれません。あいつは呂宋兵衛さまの手先になって、それとなくそとのようすを城内へ通じている、裾野の目付婆、とにかくそこへいってききただして見ることにいたしましょう」

と燕作は、可児才蔵のあんないにたって、人無村の蚕婆の家までもどってきた。

「お婆さん、開けてくれないか、燕作だよ。燕作が帰ってきたんだから、ちょっと開けておくれ」