轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

二

――大きなつばさで海面をたたいたかと思うまに、ギャーッと一声、すごい絶鳴をあげて、猛然と高く飛び上がった。

そのとたんに、大鷲の背から海中へふり落とされたものがある――いうまでもなく武田伊那丸であった。龍巻は、雲井へかけり去った鷲の行方などには目もくれず、すぐ手下に軽舸をおろさせて、波間にただよっている伊那丸を、親船へ引きあげさせた。

「民蔵でかしたぞ。きさまの腕前にゃおそれいッた」

と龍巻は上機嫌である。そしていままでは、やや心をゆるさずにいた民部を、すッかり信用してしまった。

二

堺見物もおわったが、伊那丸のことがあるので、帰国をのばしていた穴山梅雪の館へ、ある夕べ、ひとりの男が密書を持っておとずれた。

吉左右を待ちかねていた梅雪入道は、くっきょうな武士七、八名に、身のまわりをかためさせて、築山の亭へ足をはこんできた。そこには、黒衣覆面の密書の使いが、両手をついてひかえていた。

「書面は、しかと見たが、今宵のあんないをするというそのほうは何者だの」

と梅雪はゆだんのない目くばりでいった。

「龍巻の腹心の者、民蔵ともうしまする」

「して、伊那丸の身は、ただいまどこへおいてあるの?」