轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

二

二

剣は、空をきって、七、八尺はしった。

あたかも闇なる彗星が、地界へ吸われていったように。

燦然たる蛍いろの太刀! かかとをあげて、ダッ――と斬りすべっていった竹童の手にそれが持たれている。

「ウウム、無念!」

とさけんだ悲痛な声。

竹童の唇から、血のようにもれて、かれはあやうく突ンのめりそうになった足取りを踏みしめた。

そして、さらに、まえよりはすごい血相で、般若丸の切ッ先を向けなおし、剣を目とし、見えぬ目に、ジリジリと闇をさぐってくる。

針がふれてもピリッと感じるであろう柄手の神経に、なにか、ソロリとさわったものがあったので竹童は、まさしく相手の得物と直覚し、

「エ――エイッ」

身をおどらして斬りかかった。

飛躍は、竹童の得意である。

かつて、かれがまだ鞍馬の山奥にいたころは、朝ごと薪をとりに僧正谷をでて、森林の梢をながめては、丈余の大木へとびかかって、枯れたる枝をはらい落とした――その練習によるのである。

だが、いままでは剣をもつと剣をつかおうとする気に支配され、棒をもつと棒をつかう心にくらまされて、この呼吸というものが、いつかまったく忘れていた。