轻松读懂日语经典作品
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页
谷間へ落ちたり、渓流へすべりこんだり、かよわい女の切っさきに、大の男がさんざんのていです」
「ウーム、ちくしょう、咲耶子のしわざだなッ」
「そうだ!」
と、うしろでヌッと卜斎が立ちあがった。
「裾野でいちど見たことがある。――謙信流、楠流、永沼流、小早川流、甲州流、孔明流、唐の孫武陸子の兵法にもない胡蝶の陣! あれは咲耶子が野武士で馴らした得意ふしぎな陣法ですよ」
地蔵行者の変った旅
一
木魂! 木魂! 鉄砲木魂。
つるべうちにぶっぱなした銃火の轟音は二倍になってきこえた。
檜谷いちめんの暗緑色な木立のあいだから、白い硝煙が湯気のようにムクムクと大気へのぼる。
むこうの峡で笛が鳴った。
と。
もんぺを穿き、白の髪止めをしめた一団の少女たちが、ひとりの童の手足をもってたすけあい、森から沢へ、沢から渓流へ、浅瀬をわたってザブザブと峡の向こうへよじのぼる。
鳴る、鳴る、鳴る! 笛はまたさらに高音をつづけて鳴る。
バラバラと峡のがけから細道へ降りてくる少女が見えた、上から手をのばして童をうけとる。その敏捷なことおどろくばかり、螺旋状の細道を奥へ奥へと見ているうちに走りだした。