轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

それを持って、すずしそうに、歩いてくる。

白布の汗止め、キッチリとうしろに結び、思いきって袴を高くひっからげた姿――群集のむかえる眼にも涼しかった。

黙礼した。

地福寺の慈音と笹の才蔵。

慈音はむろん僧形である。

手には、タラリと長い木剣。

木剣とはいいながら枇杷二尺八寸の薄刃であるから、それは、真剣にもひとしいものだ。

ひょっと、わき見をしていた者が見なおすと、もうそこにパッと砂が立っている。

才蔵は槍をひくめにつけて慈音に迫らんとし、慈音の両眼は中段にとった枇杷刀のミネにすわっている。

見物はハッと息をのんだが、そのとき、あなたの幔幕やこなたの鯨幕のうちで、しゅんかん、ワーッという侍たちの声があがった。

これ、槍術家がわの者と、剣道方の者とが、しぜん、おのれのよるところへおもわず発した声援と思われたが、それも、ただ一刻にして、パッタリとしずまる。

おお、その時だ!

才蔵の手がサッと槍をかくした。見ゆるは指と穂先だけである。

パン! と慈音の肩の上でとつぜんな音がした。

三

槍は高くのびて、一条の光、ななめにたたきかわされている。

才蔵のひく手の早さ。