轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

銀河の箭づくり

一

見るまに、二合目の下あたりから鷲にのって、おともなく五湖のほうへとび去った。

銀河の箭づくり

一

富士の二合目をはなれ、いっきに、五湖の水明かりをのぞんで飛行していた竹童は、夜の空から小手をかざして、しきりに、下界にある伊那丸主従のいどころをさがしている。

「オオ暗い、暗い、暗い。天もまッ暗、地もまッ暗。これじゃいったいどこへ降りていいんだか、お月さまでもでてくれなきゃア、けんとうがつきあしない」

大空で迷子星になった竹童は、例の、寝るまもはなさぬ棒切れを右手にもち、左の手を目のはたへかざして、鷲の上から、

「オオーイ、オオーイ」と、とうとう声をはりあげて呼びだした。

しかし、竹童の声ぐらいは、竹童じしんが乗っている鷲の羽風に消しとばされてしまった。そのかわり、人ではないが、はるかな地上にあたって、馬のいななくのが高く聞えた。

「おや、馬のやつが返辞をしたぞ」

と、つぶやいたが、その竹童のかんがえはちがっている。動物は動物にたいして敏感であるから、いま、下のほうでいなないた馬は、ここにさしかかってきた闇夜飛行の怪物の影に、おどろいたものにそういない。

けれど竹童は、馬が答えたものと信じて、いきなり、棒切れをピューッと下へふった。