轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

「何者だなんて、生意気をいうまえに、おじさんこそ、何者だかいうのが本来だよ。おいらはこの山に住んでる者だし、おじさんはだまって、人の山へはいってきた風来人じゃないか」

「おどろいたな」と旅の男はあきれ顔に――「じつは僧正谷の果心居士さまとおっしゃるおかたのところへ、堺のあるおかたから手紙をたのまれてきたのさ」

「アア、うちのお師匠さまへ手紙を持ってきたのか、それならおいらにおだしよ。すぐとどけてやる」

「じゃおまえは果心居士さまのお弟子か、やれやれありがたい人に会った」

と、男は竹童に手紙をわたしてスタスタ下山していった。

「いそぎの手紙だといけないから、さきへこいつに持たしてやろう」

と竹童はその手紙を、一匹の小猿にくわえさせて、鞭で僧正谷の方角をさすと、猿は心得たようにいっさんにとんでいく。そのあとで、

「さッ、こい、おいらとかけッくらだ」

竹童は、とくいの口笛を吹きながら、ほかの猿とごッたになって、深林の奥へおくへとかけこんでいったが、ややあって、頭の上でバタバタという異様なひびき。

「おや? ――」と、かれは立ちどまった。小猿たちは、なんにおびやかされたのか、かれひとりを置き捨てにして、ワラワラとどこかへ姿をかくしてしまった。