轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页
「待てまて……」
秀吉は、まだ瞑目をつづけていたが、はじめて、いつもの調子でいいのける。
「やがてこの筑前守は伊勢の滝川攻めじゃ、この用意のなか、死んだ勝頼をさがしているひまな郎党はもたぬ」
「はッ」
甚内は五体をしびらせておそれいった。
「じゃが、ひきうけたこと抛ってもおけまい、この役目は和田呂宋兵衛に申しつける。よいか」
「しょうちいたしました、すぐ洛中をくまなくただしてご前へその者を召しつれます」
「やってみろ、そちには手ごろな尋ねものじゃ」
人使いの名人、顔を見たとたんに、もう呂宋兵衛をあそばせておかなかった。が、ふしぎな大役、いいつけられた、呂宋兵衛のほうでも、なんだかムズムズ油がのる。秀吉公への目見得の初役、ぜひ引っからめて見せねばならぬとひそかにちかった。
ましてや、武田四郎勝頼、伊那丸の父である。事実、天目山で討死していなかったとすれば、天下の風雲、さらに逆睹すべからざることになる。
般若丸と謎の僧
一
里の二月は紅梅のほころぶころだが、ここは小太郎山の中腹、西をみても東をながめても、駒城の峰や白間ヶ岳など、白皚々たる袖をつらねているいちめんの銀世界で、およそ雪でないものは、伊那をながるる三峰川か、甲斐へそそぐ笛吹川のあおいうねりがあるばかり。