轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

「ところで、その勝頼公。たしかに生けどってきた僧形の貴人にそういないとはにらんでおりますが、なんせい、野武士や浪人どもばかりの天ヶ丘、真実の勝頼公の面態を見知るものがないのでござった」

「して、その謎の僧は、いまもって、南蛮寺の古会堂に押しこめてあるのか――」

と、龍太郎も忍剣も息をころして聞いている。

「されば、ただいまも申したとおり、まだ真の勝頼公なるや、いなや一点のうたがいがござりますゆえ、いッそのこと、桑名にご在陣の秀吉公のところへ、かれを差したて送ろうという、昨夜の評定で」

「なんと申す! 滝川攻めのため、近ごろ桑名にいると聞く秀吉の陣へそれを送りこむという手はずになっているのか。してそれは何日、時刻は何時じゃ」

「明日の朝まだきに、東山から陽がのぼるを出立の時刻として、天ヶ丘から桑名城へ。そのために、きょう一日は、われわれも骨やすみのひまをもらい、かようなところをブラついておりましたわけ、さきほどの無礼の段はひらにお目こぼしねがいまする」

一伍一什のはなし。

聞くからに伊那丸は、われをわすれて、両のこぶしを膝の上ににぎりしめつつ、

「ウーム! さてはお父上には、早くも毒手に墜ちたもうて、桑名へさしたてられるご武運の末とはおなり遊ばしたか、……ああ、おそかった……」