轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页
なにかの危険にであっているにちがいない。
「ああ、だれかに、ご安否をたずねてみたいが、めったなものに、そんなことをきけば、みずから人のうたがいを招くようなものだし……」
こう思いながら、鞍馬の竹童は、野末にうすづく夕陽をあびて、見わたすかぎり渺茫とした曠野の夕ぐれをトボトボと歩いていた。
ここは、どこの野辺ともわからないが、いま渡ってきた川の瀬には、都田川という杭が立っていた。
なお、はるかにあなたの野のはてには、一抹、霞のように白い河原がみえる。あとは、西をあおいでも、北を見ても、うっすらした山脈のうねりが黙思しているのみだ。
微風もない晩春の夕ぐれ、――ありやなしの霞をすかして、夕陽の光が金色にかがやいている。いちめんの草にも、霞にも、竹童の肩にも――。
するとやがて、耀々とした夕がすみのなかから、あまたの青竹と杉丸太をつんだ車が、ガラガラと竹童のそばを通りぬけた。そのあとについて、八、九人の足軽と十数名の人夫たちが、斧や、鉞や、木槌などをかついで、なにかザワザワと話しながら歩いてゆく。
すれちがった時に、なんの気もなく竹童がふりかえると、一ばんさいごについてゆく足軽が、一本の立て札をかついでいる。