轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

むこうの峰までは渡りきれずに、千仭のふかさを思わす小太郎山の谷間へとさがっていった。

と、見えたが、また。

ついに、くちばしでもちきれなくなったのか、とちゅうで、鷲と竹童のかげは二つに別れてしまった。

落ちていった小さな黒点は、目にもとまらず直線に谷底へ、――そして狂った大鷲は、せつな! 筒をそろえて釣瓶うちに撃ってはなした鉄砲組の弾けむりにくるまれて、一瞬、その怪影は見えなくなった。

三

「あ。竹童め、運のいいやつだ」

鉄砲組のうしろに立って、宙を見ながら、こうつぶやいた人間がある。

蛾次郎をつれた鼻かけ卜斎だった。

聞きとがめてヒョイとうしろを向き、

「なぜで?」

とたずねたのは伊部熊蔵。

毒薬をながした水の手へ投げこまれ、そのうえにまた、鷲にくわえあげられて、千仭の谷間へ落ちていった竹童が、どうして運がいいんだか、こんなわからない話はない――という顔で。

ところが卜斎、また同じ言葉をかさねて、

「まったく運の強いやつだよ」

と、少し、くやしそうな顔をした。

「なぜですな? 卜斎殿」

「あいつめ、いまに蘇生します。運がいいじゃありませんか」

「へえ、あの竹童が」