轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

すると一ぽうから、軍謀第一のきこえある丹羽昌仙がしかつめらしく、

「おひかえなさい轟、敵をあなどることはすでに亡兆でござるぞ。伊那丸は有名なる信玄の孫、兵法に精通、つきしたがう傅人もみな稀代の勇士ときく。すべからくこの天嶮に拠って、かれのきたるところを策によって討つが上乗」

「やアまた、昌仙の臆病意見、富士の山大名ともある者が、あれしきの者に恐れをなしたといわれては、四隣の国へもの笑い。これよりすぐに、五湖へまいって、からめ捕るこそ、上策」

「いや小勢とはいいながら、かれは智あり仁あり勇ある者ども。平野の戦はあやうし、あやうし」

「くどい、拙者はどこまでも討ってでる」

「だまれ轟、まだ衆議も決せぬうちに、僭越千万な」

両名の争論につづいて、一統の意見も二派にわかれ、座中なんとなく騒然としてきたころ――

これまた何たる皮肉! 空から中庭のまん中へ、ズシーンとばかり飛び降りてきた、雷獣のような一個の奇童がある。

二

「や!」

「あッ」

「なにやつ?」

あまりのことに一同は、しばらく開いた口もふさがらず、ヒョッコリ庭先にたった、面妖な子供をみつめるのみ。子供とはいうまでもない竹童で、人見知りもせず、ニヤリと白い歯を見せた。