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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页
開門ならん」
「ヤイヤイ、しつれいをもうしあげるな」
と、燕作はまばゆい光をあおむいて、
「鳥刺し姿に身をやつしておいでなさるが、このお方こそ、秀吉公の帷幕の人、福島さまのご家臣で、音にきこえた可児才蔵とおっしゃる勇士だ。うたがわしく思うなら、とッとと軍師さまのお耳に入れてくるがいい」
「なんだ、福島正則さまのご家来だと?」
おどろいた手下どもは、すぐことの由を、丹羽昌仙へ告げにいった。昌仙は、燕作の吉報をまちかねていたところなので、すぐさま、大将呂宋兵衛とともに、間道門のてまえまで、秀吉の使者を出むこうべくあらわれた。
しばらくすると、鉄の閂をはずす音がして、明暗の境をなすおもい扉が、ギ、ギ、ギイ……と一、二寸ずつ開いてきたので、暗黒のなかに立っていた才蔵と燕作のすがたへ、一道の光線が水のごとくそそぎ流れた。
「はるばるお越しくだされた可児才蔵さま、いざお入りくだされい」
内よりおごそかな声があって、門扉は八文字にひらかれた。――と、ほとんど同時である。またも間道のあなたから、疾風のように走ってきた人間がある! すでに才蔵と燕作がなかへはいって、ふたたびギーッと門が閉まろうとするところへ、あわただしくきて、