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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

等分にいって、クルリと、幕のすそをまくりあげた。――そして、

「お渡しすることはお渡しいたすが……ただしでござる、いずれへお渡しいたすのが正義なりや、一火もホトホトとうわくつかまつるしだい、ついては、ざんじ休息のうえ、門弟たちとも評議をかさねてあらためてご返答をいたす考え、失礼ながらしばらくそれにてお待ち願いたい」

ハラリと帳をおろすと、幕のかげへ引ッこんでしまった。

三

この場合にのんきしごくな――。

と思うまもなく鐘巻一火は、また、幕をしぼってあらわれた。

解決がついたか、まえのとうわくな気色が晴れている。

「咲耶子が気がつきましたぞ」

双方へむかっていった。

「おう、では大したけがもないか」

「腕の鉄砲傷は急所がそれておるし、ただいま、門人に手当をさせておるゆえ、べつだんなこともないようでござる」

そういってから――さて――と言葉をあらためて、

「ただいまのこと、一同評議の結果、これはやはり御岳の神慮におまかせいたすのがとうぜんであろうという意見に一決したが、双方ごいぞんはないであろうか」

「神慮にまかすという意味は、神籤でも引いて決めようということであるか」