轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

「少年倶楽部」1925(大正14)年5月号~1928(昭和3)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 页

青空文庫

「菊亭晴季公にも、いつも、お変りなくお暮らしであるか」

「世は戦塵濛々、九重の奥もなんとなくあわただしく、日ごとご君側の奉仕に、少しのおひまもないていにお見うけ申しまする」

「それは祝着である。そして、とくにそちがわしを尋ねてきた用向きとはなんであるな」

「右大臣家へのご托使にござります」

「托使? ……では晴季公よりのご用でもないのか」

「さればです!」

と、一学はさらにパッと威儀をあらためて、

「お嗽口を」

と目じらせをして立った。

ただごとではない――と伊那丸もすぐに席を立った。

そして、清水をくんで手洗、嗽口をすまし、あらためて席へもどってくる。

一学もおなじようにすすぎをおえ、神殿の龕にみ灯をともした。ふとみると、そこに禁裡のみ印のある状筥がうやうやしく三ぼうの上にのせられてある。

「はッ」

と、伊那丸は衝たれたように平伏した。

「密勅です」

一学の声は、低いが、おごそかである。

伊那丸は夢かと思った。国なく、家なく、武力もない自分になんの密勅であろうか。

かれは五体のおののくようにおそれ多さを感じた。

べつに一学に托せられてきた菊亭晴季の書状からさきに黙読した。